今回は、『プレジデント』の記事より、「社長・役員になりやすい大学ランキング」をご紹介します。これまでこのブログで大学の就職率ランキングをご紹介してきましたが、今回は、就職後の出世に関わるかなりえげつない(?)ランキングになっています。
では、さっそくいってみましょう。
社長・役員になりやすい大学ランキング(2012)
※数値は社長・役員の人数1位 慶應義塾大学経済学部 99
2位 慶應義塾大学法学部 72
3位 慶應義塾大学商学部 67
4位 東京大学法学部 57
5位 早稲田大学政経学部 52
6位 東京大学経済学部 41
7位 早稲田大学理工学部 39
8位 早稲田大学商学部 39
9位 東京大学工学部 32
10位 慶應義塾大学理工学部 30
11位 中央大学法学部 26
12位 京都大学工学部 25
13位 一橋大学商学部 22
13位 早稲田大学法学部 22
15位 京都大学経済学部 19
15位 日本大学理工学部 19
17位 立教大学経済学部 18
17位 東海大学工学部 18
19位 一橋大学経済学部 17
19位 明治大学商学部 17
出典:東洋経済新報社「役員四季報データテキスト版<上場会社2012年版>(『プレジデント』2011.10.17)
かなりえげつないランキングですね。。。
上場企業は依然として「学歴社会」であることを雄弁に物語るデータです。
注目すべきは、慶應義塾大学の学部がトップ3を独占しているという事実(トップ10のなかに4学部がランクイン)。なぜ慶大OBは経済界を牛耳ることができるのか。『プレジデント』の記事では、「三田会というマフィアの存在」を指摘する東大OBの発言を挙げています。三田会とは慶大の同窓会のことですが、東大OBが「マフィア」と揶揄したくなるほど、親密かつ強固なネットワークを保持しているそうです。「同窓のよしみ」(要するに「コネ」)として後輩の便宜を図ることによって、経済界における慶大OBの権力を保持するという仕組みになっているようですね(こういうのを「ホモソーシャルな紐帯」といいます)。ただし、三田会が「マフィア」なら、霞ヶ関の中央官庁を牛耳る東大閥だってある意味「マフィア」とも言えるわけで、三田会だけあげつらうのはフェアーじゃありません。
それにしても、このランキングに人文・社会系学部の名前がほとんど見当たらないのは、なんとも言えない気持ちになりますね。トップ57にランクインしているのは、早稲田大学の文学部と教育学部のみ(ともに50位、人数9人)。人文系の人は、金儲けに興味はない、自分の好きな仕事に従事するんだという矜持を胸に、やりたいことをやりましょうね(なんだそれ)。