現代文って偏差値が上がりにくい科目だって言われています。だから、捨て科目にする人もけっこう多いみたい。特に理系の東大受験生。
ある意味、それはありです。というか、場合によっては(特に理系の場合)志望校合格を勝ち取る賢い戦略でさえあります。合格するには合格最低点を越えさえすればよいのであって、点数の取れるかどうかもわからない科目に膨大な時間を費やすのは、たしかに効率が悪い。
ただ、文系の方はやはりある程度避けては通れないと思います。
にもかかわらず、現代文はセンスだとか、あるいは逆に、所詮、日本語なんだから勉強しなくたってできるというような神話(評論用語で、根拠もないのに本当だと信じられていること)がいまだにまかり通っている。かつ、それが現代文を勉強しない口実になっている。
ひと言いわせてもらいます。
数学の教科書だって日本語なんだけど。
日本語ならできるのなら、英語以外の科目は全部楽勝ですね。だから、日本語ならできる、勉強はいらない、なんて論理はでたらめ。できるわけないじゃん。「主体は行為を通して遡及的に構築される」なんて聞いてわけわかる高校生がどれだけいるのよ。
では、なぜ、現代文は古文や漢文のように偏差値が上がりにくい(と言われる)のか?
正解は、現代文の勉強自体をやっていないからです(たぶん)。
けっこう、図星じゃないですか。勉強自体やってなかったら偏差値が上がらないのはあたりまえ。例えば、古文にかけるのと同じくらいの時間と労力を現代文に使っていますか?おそらく使ってないと思いますよ。古文より現代文の方が配点が高い大学がほとんどなのに。
じゃ、他の科目と同じくらい勉強すれば成績あがるのか。はい、ただし、勉強法がまちがっていなければ。
現代文の偏差値の上げ方
現代文の成績をあげるには、主に、1.読解法のマスター
2.語彙・背景知識
この2つが必要です。
そして、この2つをマスターすることが必要。
その方法を次回からぼちぼち書いていきますが、今日は導入としてちょっとだけ大切なポイントを紹介します。また改めて詳しく書きますが、読解法さえ身につければ現代文ができるようになるって思っている人、大間違いですよ。
文章の理解には、読解法とともに、スキーマ(schema)が必要です。スキーマとは、ごくごく簡単に言えば、背景知識のことです。
スキーマを多くもっていればいるほど、文章の理解が容易になり、かつ速くなります。背景知識が多いほど、「あっ、どこかでこんな話読んだことあるな」って感じる確率が高くなるということです。
前に挙げた、「主体は行為を通して遡及的に構築される」というわけのわからない文ですが、読解法を知っているだけでは内容把握ができません。読解法とは、この場合日本語の文法やシンタックス(構文)を見抜く力のことになりますが、例えば「は」が係助詞だとか、「れる」が受け身の助動詞だとか、「主体は」が主語で「構築される」が述語だとかいうような文法・構文がわかっていても、つまり、読解法=読み方がわかっていても、文全体で何をいっているのかわからないでしょう?
つまり、この文を読み解くには、読解法のみならず、「主体」や「構築」や「遡及」といった語彙の知識が必要だというわけです。いま語彙といいましたが、それは、辞書的な意味はもちろん、評論においてその単語がどういうジャンルでどのような使われ方をするのか、その言葉がどういう考え方を背景にもっているのかについての知識を含みます。要するに、一般的な語彙力と評論用語を見につける必要があります。
というわけで、もっていない人は、いますぐ大学受験用の漢字問題集(意味が載っているもの)と評論用語集を買いにいきましょう。
今日はこれまで。