今日は、『週刊東洋経済』(2009.10.24)より大学の就職率ランキングをご紹介します。今回は理系学部の就職率ランキングです。
今年の新卒者の就職状況は世界同時不況の影響が直撃し、就職率の大幅な減少のみならず、新卒者の内定取り消しまで取りざたされる状況になってしまいました。本当に嫌な世の中です。この不況に対しては新卒者には何の責任もないのに、そのとばっちりを食うのは常に新卒者と末端の労働者。いわゆる「ロスジェネ」の第二世代が生まれることはもう必至です。
そんな状況の中でたくましく生きていくために、大学の就職力をよくリサーチすることが重要になってきます。今回はそういった意味も込めて、大学就職率ランキングのご紹介です。
では、いってみましょう。
大学就職率ランキング(理系)
*表の見方:大学・学部・就職率(%)1位 岡山県立大学・情報工・100.0
2位 新潟薬科大学・薬・98.8
3位 九州保健福祉大学・薬・98.6
4位 静岡大学・情報・98.5
5位 名古屋学芸大学・管理栄養・98.1
6位 大阪薬科大学・薬・98.0
7位 神戸薬科大学・薬・97.7
8位 富山県立大学・工・97.6
8位 秋田県立大学・生物資源科・97.6
8位 会津大学・コンピュータ理工・97.6
11位 新潟大学・農・97.5
12位 愛知工業大学・工・97.4
13位 明治薬科大学・工・97.3
13位 岡山大学・環境理工・97.3
13位 県立広島大学・保健福祉・97.3
16位 近畿大学・工・97.1
16位 山梨大学・工・97.1
16位 東北薬科大学・薬・97.1
19位 近畿大学・産業理工・96.8
19位 石川県立大学・工・生物資源環境・96.8
理系大学の就職率ランキングは以上のようになっていました。薬学系と農学系の就職率が高くなってますね。工学系の人気は相変わらずで、これはエンジニアとしての即戦力が求められているからです。大学で身につけた知識をすぐに企業で活かすことができるので、工学系への求人件数は多いです。
2009年の就職率は理系が87.5%(前年比4ポイントアップ)、文系が79.3%(前年比1.1ポイントダウン)となり、「理高文低」の状態のようです。もともと理系の方が就職率は高いのですが、不況になるとその差がいっそう広まる傾向にあるようです。また、国公立大学人気が高まるのも不況の時の特徴です。ランキングでは、国公立大学の農学部の就職率が高くなっていますが、地方の国公立大学は地元の企業に圧倒的に有利ですね。
2010年度の新卒就職率の正確なデータが出るのはまだ先ですが、相当に厳しい数字になっていることは確実。文系で人気の福祉系、理系で人気の薬学系も短期間で学部・学科が急増してだぶつき気味。安易に流行に走らず、4年後を見越して大学を選びたいものですが、なかなか難しいようです。